オーディン | 北欧神話の主神。天候神(暴風神)であり、戦士達の守護神であり、魔術師でもある。オージンとも。 彼の加護を受けた戦士は『ベルセルク』あるいは『ウールフヘジン』などと呼ばれる忘我状態に陥り、獣さながらの凶暴さで敵を殺戮するという。 戦死者達の魂を自らの宮殿・ヴァルホル(ヴァラスキャールヴ)に集め、霊魂だけの戦士『エインヘリャル』としてきたるべくラグナロクに備えている。 戦場に立つ時は、黄金の鎧兜をまとい投げ槍『グングニル』を手に持つとされているが、彼自身が前線に立ち闘うことはなく、もっぱら策略をもって敵を瓦解させることを役割としている。 知的探究心が極めて強く、自らを生贄にした臨死体験によってルーン文字を得たエピソードや、片目を差し出し知恵の泉の水を飲んだ話、あるいは女性にしか使用出来ない巫術をフレイヤの愛人になり教わるなど、知識を得る為なら形振りを構わない側面が見受けられる。 |
父親:神々の始祖ブーリの息子ボル 母親:女巨人ベストラ 兄弟: 次弟ヴィリ、末弟ヴェーイ 子供達: 光の神バルドル(母は正妻フリッグ) 詩の神ブラギ(母は巨人のグンロズ) ヴァーリ(母は巨人のリンド) ヴィーサル(母は巨人のグリーズ) オーディンの使者ヘルモーズ(母不明) |
トール | 雷神であり、冠婚葬祭の浄めを行う神。ソールとも。 『ミョッルニル』と呼ばれるハンマーをふるい、巨人族を打ち倒す神々の国の守護神という側面も持つ。 その為か、彼にまつわる逸話・伝承は巨人族との戦う内容のものが多い。 神々の中で最も背が高くたくましく、その顔を覆う赤髭が特徴的。 オーディンの正妻・フリッグとは兄妹であり(ただし、トールをオーディンの息子とする説もある)、オーディンとは性格の違いもあるからか、仲の悪さを窺わせる逸話も幾つか見られる。 彼の住まう館・ビルスキルニルには、病気や老衰以外の原因で死んだ民衆の魂が集い、死後をそこで過ごすともいわれている。 |
母親:巨人(あるいは地母神)フョルギン 姉妹:妹フリッグ 子供: スルーズ(母は正妻であるシヴ) マグニ モージ(母はヤ−ルンサクサ) 継子: 狩猟の神ウッル(母はシヴ。実父不明) |
バルドル | 容貌、才覚共に優れた神であったと伝えられる。 唯一の欠点は彼の裁きが常に不変ではなかったことだというが、それは息子である裁きの神フォルセティが補った。 バルドルには避けられぬ死の予知が下されており、母フリッグはそれを変えようと、この世のあらゆるものから「バルドルを傷つけない」誓約を取り付けていた。 しかし、ただ一本のヤドリギは幼すぎた為にその誓約を交わしておらず、後にロキの画策によりそのヤドリギに貫かれ、命を落とした。 |
父親:オーディン 母親:フリッグ 子供: 裁きの神フォルセティ(母はナンナ) |
ウッル | 狩猟の神。スキーで雪の野山を、スケートで凍った海を走り回る。 弓矢の名手であり、戦士でもあり、かまどの火を司る神でもあり、また公正なる神としても知られている。 オーディンが一度、罪に問われて王座を追われた時、十年間だが王座に就いていた。 |
義父:トール 実母:シヴ 異父姉妹:スルーズ |
[ヴァン神族] | ||
ニョルズ | ヴァン神族の王であり、風や海、火などの働きを司る。 容貌に秀でており、特にその足は神々の中でも最も美しかったといわれる。 アース神族とヴァン神族の間に起こった戦争の講和条件として、子供達と共にヴァナヘイムからミズガルドに人質としてやってきた。 住まう館はノーアトゥーン。 ヴァン神族では近親婚に対するタブー意識はないらしく、彼の最初の妻(フレイ、フレイヤの母親)は彼自身の姉妹(一説には妹)と云われている。 アースガルドに移ってから、巨人族のスカジと婚姻関係を結んだが、狩猟の女神である彼女と、海に関係深いニョルズとは互いの環境に馴染むことが出来ず、別居に至った。 | |
フレイ | ミズガルドにおける第三位の神。バルドルに次いであらゆる面に秀でた神であったとされている。 植物、動物双方における豊饒神であり、また戦士としても優れていたと云われている。 ヴァン神族の習慣か、妹フレイヤと情交関係にあったとも云われている。 |
父親:ニョルズ 母親:ネルトゥス 姉妹:妹フレイヤ 妻:巨人族のゲルズ |
フレイヤ | 美の化身であり、豊饒神であり、愛の女神でもある。また、優れた魔術師でもあった。 オーディンに教えた巫術・セイズは、一種の降霊術のようなものといわれており、その行使には性交における女性の絶頂感に似た精神的な高まりを感じるのだといわれている。 オーディンに巫術・セイズを教えた代価として、戦死者の半分を選び取り、自身の館・セッスルームニルの宴席に招くという。 また、性的に奔放で、数多くの愛人がいたとされている。 |
父親:ニョルズ 母親:ネルトゥス 兄弟:兄フレイ 子供:フノッス(父はオーズ) |
[巨人族] | ||
ロキ | 北欧神話におけるトリックスター的存在。自由奔放なプレイボーイであり、ピカレスク的な側面も持つ。 奸智にたけ、その智謀をもって神々に多くの宝物をもたらしてもいる。 また、変身を得意としており、表面ばかりか肉体構造まで変えることが出来ることが、牝馬に化け、八本足の神馬スレイプニルを産んでいることからも証明されている。 最初の妻といわれるアングルボザとの間に生まれた(一説にはアングルボザの心臓を食したロキ自身が妊娠して産んだともいわれる)兄妹が有名なフェンリル、ヨルムンガンド、ヘルの三人。 これらのエピソードから、一説には彼は両性具有ではないかという解釈もある。 バルドルを死なせた咎を責められ、地の底に我が子のはらわたで戒められており、顔の上に据えられた蛇の毒液を浴びるたび身を捩じらせ、地震をおこすのだという。 |
父親:巨人族のファールバウティ 母親:ラウヴェイ(ナールとも) 兄弟: ビーレイスト、ヘルブリンディ 子供: フェンリル狼(ヴァナルガンド) 世界蛇(ミッドガルドの蛇)ヨルムンガンド 死の国ニヴルヘイムの主ヘル (母は巨人アングルボザ) ナルヴィ ナリ (母はシギン) 八本足の神馬スレイプニル (父は牡馬スヴァジルフェーリ) |
[その他の神々] | ||
ノルン | 北欧神話における運命神。ウルド、ヴェルダンディ、スクルドの三姉妹。 彼女達の示す運命は絶対であり、神々でさえノルンの示した運命に抗うことは出来ないという。 巨大なトネリコの樹・世界樹『イッグドラシル(ユグドラシル)』の根元にある『ウルズの泉』の元に住まい、イッグドラシルを手入れしているとされる。 |
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