[アステカ神話]
中米の神話において、世界は数度滅亡と創造を繰り返すものとされており、アステカ神話では現代の世界は五番目の時代とされている。
最初の時代が、テスカトリポカが「土の太陽」となって支配した「土の太陽」の時代、あるいは「四の虎」の時代である。
六百七十六年間続いたこの時代には巨人達が暮らしていたが、テスカトリポカがケツァルコアトルによってその座を追われ、終わりを告げることとなる。ケツァルコアトルに矛でつかれたテスカトリポカは、ジャガーに変じ去り、その後、何処かより現れたジャガーの群れに巨人達は貪り食われ、世界は滅んだ。
二番目の世界は、ケツァルコアトルが「風の太陽」となって支配した「風の太陽」の時代、あるいは「四の風」の時代である。
三百六十四年間続いたこの時代は、ケツァルコアトルがテスカトリポカに蹴り倒され、その座を追われたことにより終焉を迎える。人々は大風に吹き飛ばされ、生き残った人々は猿になった。
三番目は雨の神トラロクが「雨の太陽」となって支配した「雨の太陽」の時代、あるいは「四の雨」の時代である。
「四の雨」の時代は三百十二年続いたが、ケツァルコアトルが火の雨を降らせ(一説には火山の噴火とされる)世界を滅ぼしたと伝えられる。人々は七面鳥に変えられ死んでしまったが、空を取る鳥だけは生き残ったという。
四番目は水の女神チャルチウィトリクエが「水の太陽」となって支配した「水の太陽」の時代、あるいは「四の水」の時代である。
「四の水」の時代は六百七十六年間続いたが、五十二年間続いた雨によって大洪水が起こり、洪水に押し流され地上の生物が滅んだ。女神によって人々は魚に変えられた。
五番目が現代の「動の太陽」の時代である。
オメテオトル 世界の中心から天国へ向かって架けられた、十三段の梯子の最上段に座すといわれる神。
名は「身近な者の神」「中心にいる者」「輪の中にいる者」の意。「二重の至高神」トロケ・ナワケとも。
オメテオトルが大地に向かって投げつけた黒曜石のナイフの欠片から一六〇〇の神々が生まれ、それらの神々が人間を作ったとされる。
ケツァルコアトル 「翼ある蛇」の意。二番目の世界を支配した「風の太陽」。
創造神オメテクオトルの息子。文化と秩序の神。混沌の神テスカトリポカの対。
トルテカ文明の偉大な王がそのモデルであり、アステカ人によって神格化した。
現代の人類を作り出す際に、冥界ミクトランに赴き、死の神ミクトランテクウトリの元から人間の骨を持ち帰ったという。また、農耕・火・暦などを人類にもたらした。
テスカトリポカにその座を追われ、海の彼方へと去っていったが、ケツァルコアトルは必ずアステカの地に戻り王座に返り咲くという伝承があり、それがスペインの南米侵略に際して利用され、アステカはスペインに征服された。
テスカトリポカ 名の意味は「煙る鏡」。最初の世界を支配した「土の太陽」。
創造神オメテオトルの息子。争い、変化、混沌の神。有翼の蛇ケツァルコアトルの対。
大地の怪物と戦った際、左足を食いちぎられた為、黒曜石の鏡をあてがい、失われた足の代わりとした。
ケツァルコアトルによって倒され、放逐されたテスカトリポカは、ジャガーに変じ天空の星座になったという。
神話に頻出するテスカトリポカは、「土の太陽」テスカトリポカの弟とされるが、同一の存在であるともいわれる。

<<<戻る

SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送