<神名録の見方>
@神名。
総称の場合は、
[単数形+達]に
ルビで複数形を
併記した。
A親子関係。男神及び性別未詳の場合は、父×母の順に、女神の場合は、母×父の順に記載。
B「」内に、名前の意味を記載。
C神格、及び、職掌。
D大まかな経歴の紹介。
E別称、異名がある場合は、末尾に()をつけ、その中に意味を併記した。
F集団の場合は、個別名はここに列挙した。補足説明は、:で末尾に追記した。

あ行
アイテル ニュクスとエレボスの息子。
「澄明」「上天界」「上天の光気」などの意。大気の男神。上天の光気を司る。
アイドス アストライアの妹? 慈悲の女神。
アエル 下天の空気。
アケローン ガイアの息子とも、オケアノスとテテュスの息子ともいわれている。
「禍の河」の意。冥界の最外郭を流れるアケロン河の河神。
最も一般的な三途の川で、アケロン河にはピュリプレゲトン河とコキュトス河が合流しているという。
ニンフのゴルギュラとの間にアスカラポスという息子をもうけた。この息子がペルセポネが冥府の柘榴を食したことを証言した。
アステリア ボイベとコイオスの娘。
「星座」の意。
ゼウスの求愛から逃れる為に、鶉に変身して海に逃れた。その後、海上に浮かび上がりデロス島となった。
アストライア テミスとゼウスの娘という説と、エオスとアストライオスの娘という説がある。
「星のごとく輝く者」の意。正義の女神。
人間を見限り次々に天上に上がっていった神々の中で、アイドスと共に最後まで地上に残った。
彼女の持っていた善悪を量る天秤が、天秤座であるとされている。
アストライオス クレイオスとエウリュビアの息子。
「星明り」の意。
アソポス ポセイドンとペロの息子、あるいは、オケアノスとテテュスの息子。
シュキオーンの河神。
ラドン河神の娘メトペーを妻として二男二十女を得る。
娘アイギナがゼウスに攫われようとしたところを阻止しようとした為、ゼウスに殺害された。
アテ エリスとゼウスの娘。ゼウスの総領娘――すなわち、第一子で長女である。
「破滅」「迷妄」「災禍」。愚行の女神。
『イーリアス』によると、ヘラクレス誕生の際、ゼウスを愚行に導いた為、首をつかまれて天上から投げ落とされ、オリュンポスから地上へと追放された。
人間が愚かな行いを繰り返すのは、彼女が地上に在るからだとか。
“ゼウスを惑わせた”とは具体的にどんな内容だったのか。
神話から推察するに、アルクメネにヘラクレスを孕ませ産み月を待っていたゼウスに対し、“その子に王位と栄誉を与えるという意向があるならば、それを皆に公表しておいては?”と進言したと考えられる。
アテナ ゼウスとクウレのメティスの娘――だが、メティスに下された“父より偉大な息子を産む”という予言を恐れたゼウスが、彼女を飲み下した為、母親から誕生していない。後に、父親の頭部から成長した姿で誕生した。
戦争と技芸の女神。
“パラスアテナ”“ポリアス”などとも呼ばれる。
神々の検証も参考のこと。
アトラス イアペトスとクウレのクリュメネの長男。あるいは、母親はテミスだという説もある。
「運ぶもの」「耐えるもの」の意。
ティタンマキア時にはティターンの軍勢の主将を務めた。
敗戦後、天を支えるという刑に服すことになる。
後に、ペルセウスの持つメドゥーサの首の魔力により石になったとされている。
アイトラとの間にヒュアデスをもうけたとも、ヘスペロスという息子がいるという説もある。また、ヘスペリデスは彼の娘達だともいわれる。
アパテ ニュクスが単独で産んだ娘。
「欺瞞」の意。欺瞞の女神。
アプロディテ クロノスに切り取られ海に落ちた、ウラノスの男性器から生じた泡から生まれた。ゼウスとティタニスのディオネの娘、という説もある。“ディオネ”は“ゼウス”の女性形。
「水泡から生まれた」「泡から生まれた女神」の意。美の女神。
従属神として、カリテス、ヒメロス、ペイトなどがいる。
また、エロスを彼女の息子とする説もある。
ディオニュソスとの間に両性具有神ヘルマプロディトスを、ヘルメスとの間にプリアポスをもうけた。
アポロン ゼウスとレトの息子で、アルテミスとは双子。七ヶ月の早産で生まれた。
遠弓と音楽の男神。
従属神はムサイ。
“ボイポスアポロン(「輝けるアポロン」)”“リュケイオス”“ロクシオス”“アルギュイエオス(「道路の守護者」)”“アルケゲテス(「先導者」)”“ムサゲテス(「ムーサの指導者」)”などの異名を持つ。
“銀弓の神”とも。
コロニスあるいはアルシノエ(スパルタ王テュンダレスの姪)との間に名医アスクレピオスを、ムーサのタレイアとの間にコリュバス達をもうけた。また、キュレネとの間に養蜂と牧畜の神アリスタイオスと予言者イドモンをもうけたともいわれている。
神々の検証も参考のこと。
アルテミス レトとゼウスの娘。アポロンの双子の姉でもある。
狩猟の処女神。生後七日目には、母の助産婦を努めるまでに成長していた為、出産の女神としても祭られている。
数十人の処女のニンフ達を従えている。
緑の瞳を持つ、長身の女神であるといわれている。“黄金の矢を射る女神”とも。
神々の検証も参考のこと。
アレス ゼウスとヘラの嫡男。
「破滅のもと」の意。軍神。戦場における暴力や残酷さを司る。
デイモス、ポボスや、ケレスとキュドイモスを、従属神として連れている。
他にエリス、または、エニュオも彼と共に戦場を駆け巡るとされている。
『イーリアス』には青銅の大槍を携えていると描かれている。また、美男子の神としても有名。
“エリュアリオス”とも呼ばれる。
アロアデス ポセイドンに恋し、海水を懐に注ぎ続けたトリオプスの娘イーピメデイアが生んだ、二人の巨人。
毎年2メートルずつ背が伸びたという。
オリュンポス山の上にオッサ山、その上にペーリオン山を積み、天上の神々に戦いを挑もうとした。
死後、地獄で蛇に縛られる罰を受ける。
個別名は、オートスとエピアルテース。
アンタイオス ガイアとポセイドンの息子。
リュビアの地に住んでいた、大地に足が着くたび強くなるという巨人。
ヘラクレスによって、大地に足をつけられぬよう持ち上げられ、倒された。
アンテロス 愛に対して愛を返さぬ者を罰する神、あるいは、愛に反対する神。エロスの対になる存在。
アンピトリテ クウレのドリスとネレウスの五十人の娘・ネレイデスの一人。オケアニデスの一人と言われることもあるが、おそらく、母ドリスがクウレであることから発生した誤認であろうと思われる。
「大地を取り巻く第三のもの」「第三の元素」の意。ポセイドンの正妃であり、海の女王。
『神統記』によると、姉妹のヒッポノエ、キュモドケ、キュマトレゲと共に、“縹渺とした海原で波浪と吹き荒む風どもの息吹をやすやすと鎮める”女神であると描かれている。
ポセイドンに見初められ、熱烈に求婚されたが、当初は彼の気性の荒さを厭い、オケアノスの宮殿(ネレウスの宮殿という説もある)に逃げ込んでしまった。
しかし、あるイルカが、隠れこんでしまったアンピトリテを探しあて、ポセイドンとの仲を取り持った。その功を称えポセイドンは天に海豚座を作った。
濃紺の瞳の女神であるとされている。
イアペトス ウラノスとガイアの息子。ティターン男神ティタン六柱の一柱。
ティタンマキアの後、タルタロスに落とされた。
彼の妻が誰か、については、ティタニスのテミスとする説、クウレのクリュメネとする説、オケアニデスのアシアとする説、等諸説ある。
イリス クウレのエレクトラとタウマスの娘。
「虹」の意。虹の女神。伝令神。ヘラに仕える女神とされている。
ウラノス ガイアが単独で産んだ息子であり、ガイアの夫。
「天」「天空」の意。天空の父祖神。最初の主神。
ティターン十二神の後に生まれたヘカトンケイル、キュクロプスらを疎み、ガイアの胎内(=地中)に押し戻した為、ガイアの怒りをかった。
そして、ガイアの意を受けたクロノスにより、その座を追われた。
彼の子孫達は天の裔の神々ウラニオネスともいわれる。
エイレイテュイア ヘラとゼウスの嫡出の娘。
「緊急の際に来る者」の意。出産の女神。
母ヘラに従いゼウスの浮気の子供達の誕生を妨害することが幾たびかある。
エウリュビア ガイアとポントスの娘。
「ひろい力」の意。
エウロス アストライオスとエオスの子。
「東風」の意。東風の神。
エオス テイアとヒュペリオンの娘。
「暁」「曙」の意。暁の女神。
人間のティトノスと恋をし、彼に不死を与えることは叶ったが、不老を与えることを忘れていた為、ティトノスは永遠に老いを重ねて生き続ける事となった。
“エリゲネイア(「朝まだきに生まれる女神」)”という別称を持つ。
エキドナ クウレのカリロエとクリュサオルの娘、あるいは、ケトとポルキュスの娘。
「蛇」の意。
アルカディアに住んでいた上半身が若い女性、下半身が蛇の怪物。百眼巨人アルゴルに倒された。
双頭犬オルトスとの間に、ネメアのライオンとスフィンクスを産んだ、という説もある。
エニュオ アレスの娘、あるいは姉妹? 戦女神。
エピメテウス イアペトスとクウレのクリュメネの息子。
「後で考える」「あとからの思いつき」の意。
パンドラを娶り、デウカリオン(プロメテウスの息子)の妻になるピュラをもうけた。
エリス ニュクスが単独で産んだ娘。『仕事と日々』では、“エリス”は二柱おり、“競争心のエリス”は長女である、とされている。アレスの双子の妹説もある。
「争い」の意。不和と争いの女神。競争によって向上心を抱かせる、という一面も。
彼女が、テティスとペレウスの結婚式に投げ込んだ“最も美しい女神へ”と書かれた黄金の林檎が、トロイア戦争の遠因となったことは有名。
神々の検証も参考のこと。
エリニュス達エリニュエス クロノスによって斬り取られたウラノスの男根から流れた血が大地に滴り、そこから生まれた。
正義と復讐の女神達。血族間の殺人を犯した者を厳しく追及する。
背には翼を持ち、松明を手に掲げ、その髪は生きた蛇である。
“エウメニス(複数形エウメニデス。「善意の女」「善意の人々」)”“セムナイ・テアイ(「厳かなる女神達」)”などの異称を持つ。
個別名は、以下の通り。
 ティシポネ(「殺人を復讐する女、殺人に復讐する女」)
 メガイラ(「妬む女」)
 アレクト(「休まぬ女」)
エレボス カオスから生まれた。
「幽冥」「暗黒」の意。原初の暗黒を司る神。人格としての存在よりも象徴としての存在。
エロス タルタロスに次いでカオスより誕生した。アプロディテとアレスの息子という説もある。
「愛」の意。性愛。愛の男神。同時に、同性愛の守護神であり多産の神でもある。
アプロディテの不評をかった人間の娘プシュケに、誰からも愛されないようにする矢を射掛けようとした。しかし、偶然からエロス自身に己の恋心を起こす矢が刺さり、プシュケに恋してしまった。
プシュケはエロスの妻となり、その間に快楽の女神ヘドネをもうけたといわれる。
オイジュス ニュクスが単独で産んだ子。
「痛み」の意。苦悩の神。
オケアノス ウラノスとガイアの長子。ティターン男神ティタン六柱の一柱。
「早く流れる者」の意。大洋の神。世界を囲む水域を司る。
ティタンマキアでは中立の立場を取り、また、戦いの間、ヘラを保護していた。
オケアニス達オケアニデス テテュスとオケアノスの間に生まれた、三千の娘達。
オネイロス達オネイロイ ニュクスとヒュプノスの子供達。ヒュプノスとアグライアの息子とする説もあるが、こちらでは矛盾点もある。
「夢」の意。夢を司る神々。複数おり、その数は千以上ともいわれる。
個別名称は以下のものがある。
 モルペウス:別項参照。
 ポベトル(「威嚇者」):神々はイケロスと呼ぶ。動物の夢を見せる。
 パンタソス(「仮象者」):無生物の夢を見せる。
オルトス テュポンとエキドナの息子。
双頭の犬。背中から七匹の蛇が生え、尾も蛇であったという。オルトロスとも。
エリュテイアに住んでいた巨人ゲリュオネウスの番犬。ヘラクレスに倒された。
ヒュドラの娘キマイラとの間にピックスとネメアの獅子をもうける。
Back

SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送