[中国幻想動物]

天狐てんこ
九尾之狐
陰のものであり、陰のものである鬼(幽霊)と陽のものである人間の中間ほど。
『玄中記』によると、五十年生きた狐は女性に変身出来るようになり、百年生きると美女や巫女に変ずることが出来るようになる。あるいは男性に変身出来るようになる。
仙狐(狐の仙人にあたる存在)になる為には、修行を積む為の前段階として、東岳大帝の娘・泰山娘娘(碧霞玄君)が主催する筆記試験を受け、これに合格しなければならない。合格したものを科挙同様に“正員”と呼び、合格していないものを“野狐やこ”と呼ぶ。
正員となった狐は、人に変身する方法をまず学び、次に世界中の鳥の言葉を学ぶ。鳥の言葉を習得してから人の言葉を学び、そこに至って人の形をとることが出来るようになるという。
狐は、上位の狐となる為に、人に変じ、情事によって人間の精気を吸う。
狐の最高位である天狐は、千年を経て修行を積んだ狐であり、黄金の毛皮と九本の尾を持つ。天帝に仕え、主として月宮や日宮に勤める。天狐は妖かしではなく心中と呼ぶべき存在である。
『山海経』に記されている青丘之山に住む九本の尾を持つ狐は人食いの害獣で、赤子の鳴き声のような鳴き声を発するという。その肉を食うと邪気を避け蟲毒に害されることもないという。天狐の原型。『太平広記』が引用する『瑞応編』では人食いではなくなり神獣とされる。
白澤 黄帝が蚩尤を滅ぼした後、東海、桓山の海岸で出会った神獣。
白澤は人間の言葉を話し、この世で知らぬことはなかった。黄帝が白澤にこの世の鬼神について訊ねると、白澤は一万千五百三十種の妖怪について語った。黄帝はそれに基づいて妖怪の図像を描き、これらの害を未然に防ごうと天下の人々に示した。この世界最古の妖怪図鑑は『白澤図』と呼ばれるが、その実物は現存しない。『捜神記』が、呉の諸葛恪が『白澤図』の記述を元に妖怪を退けた話を紹介している。
この説話にちなんで、鳥山石燕は『百鬼夜行図』の最後に白澤を描いたという。

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